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vol. 1

夏の肌荒れは乾燥のせい? 乾燥肌が悪化する理由と対処方法

スキンケア

2017.07.06

気温や湿度が高く、日差しも強い夏。汗や皮脂の分泌が盛んで、肌の表面がベタついたり、テカったりする季節です。日焼けや化粧崩れが気になる方も多いのではないでしょうか。つい肌の表面にばかり気を取られがちですが、内部がどのような状態になっているか、知っていますか? 実は、夏は乾燥肌になりやすい時期。肌荒れの原因となる、夏ならではの乾燥の理由や、対処法をご紹介します。

夏の乾燥、理由は紫外線と冷房

紫外線による乾燥

紫外線には、A波(UV-A)とB波(UV-B)という2種類の光があります。まずB波は、肌の表皮に届きます。B波が表皮内の基底膜にあるメラノサイトを刺激すると、肌は紫外線の真皮への到達をなんとか防ごうとメラニンを生成。通常メラニンは肌の生まれ変わり=ターンオーバーとともに排泄されていくため、健康な肌で普通に生成されているぶんには問題はありません。しかし、肌のバリア機能*が低下してメラノサイトの過剰な活動がおさまらず、局部的にメラニンが生成され続けてしまうと、シミの原因になることがあります。そして、紫外線の刺激を受けるなどして肌のバリア機能が低下すると、水分を肌に蓄える力が弱まって乾燥状態になります。

一方でA波は、真皮にまで到達してしまいます。すると真皮に存在する繊維芽細胞を傷つけ、コラーゲンやエラスチンなどの生成が鈍化。肌のハリや弾力、水分保持力が低下してしまうのです。

紫外線を長時間繰り返し浴びているとターンオーバーも乱れます。古い角層が停滞し分厚くなった、ささくれ状態の肌表面からは、水分が蒸散しやすくなり、さらに乾燥が進んでしまうのです。

*バリア機能:肌表面にある0.02mmの角質層がうるおいを蓄え、皮脂膜とともに体を乾燥や外的刺激から守る、肌にもともと備わっている機能のこと。

冷房による乾燥

気温も湿度も高い日本の夏。オフィスや公共の場での冷房は当たり前となっていますが、肌にとっては乾燥の原因になりかねません。冷房が効いた部屋では、室温の低下に比例して湿度が低くなり、肌がみずからを乾燥から守ろうと皮脂が多めに分泌されるようになります。そのべたつきを解消しようと、タオルやティッシュで顔をごしごしぬぐったり、強くこするような洗顔を繰り返すと、肌表面がダメージを受けてぼろぼろに。肌のバリア機能が低下して水分保持力も低下します。

さらに、冷房による体の冷えは自律神経の乱れも招きます。体調不良や血行不良が生じ、肌の温度も下がり、ハリや弾力、水分保持力が低下する可能性も。すると肌のターンオーバーが鈍り、乾燥やトラブルにつながってしまいます。

夏の肌に起こる「インナードライ」とは

前述のように、紫外線や冷房などのダメージを受け、夏の肌内部は乾燥しがち。角層が水分不足になり、肌表面もカサカサする乾燥肌になりやすい時期です。

同じように乾燥が原因となる肌状態に、「インナードライ」があります。これは、ダメージを受けた肌がみずからを乾燥から守るため過剰に皮脂を分泌し、皮脂膜を作ろうとする肌状態のこと。乾燥肌同様に角層の水分は少ないですが、皮脂分泌が多く表面がベタついているのが特徴です。とくに夏場は気温や湿度の上昇で汗や皮脂の分泌が活発なため、肌の表面はなんだかしっとりと潤っていることも。つい、夏場のオイリー肌だと勘違いしてしまいがちです。しかし、あぶらとり紙や洗顔で表面の皮脂を取り除いても、肌は水分の蒸散を防ごうとするので、さらに皮脂を出してしまうのです。

肌のタイプを自分で見分けるのはなかなか難しいですが、洗顔後、何もつけずに10分ほど置いて、カサカサしたら乾燥肌、カサつきやつっぱり感がなくテカってきたらオイリー肌、つっぱってテカり気味になったらインナードライ肌が疑われます。誤ったケアをしないためにも、百貨店のコスメカウンターで測定してもらうなど、きちんと見極めることも大切です。

夏におすすめの乾燥肌対策

では、乾燥肌を改善するには、どうすればよいのでしょうか。とにかく肌の表面に水分を与える? そしてクリームなどの油分でフタをする? いえいえ、大切なのは、傷ついた角質層を修復し、肌本来のバリア機能を取り戻すこと。といっても、オイル成分はターンオーバーの大敵。皮脂とは異なるオイルの影響で排泄機能が滞ったり、オイルに含まれる防腐剤や酸化防止剤などによって角質層が傷ついたりと、トラブルの原因になってしまいます。すると、皮脂膜を形成できなくなり、肌はいっそう乾燥して悪循環に陥ることもあります。そのため、私たちの肌がもともと持っている潤う力をよみがえらせるケアが必要なのです。

また、インナードライ肌になると、どうしても表面の油分を取り除こうとしがちですが、それは一時的なテカリ対策に過ぎません。むしろ、乾燥を促進させてしまいます。肌の内部からきちんと保湿すれば、肌の状態が正常に整い、過剰な皮脂分泌も抑えられます。

具体的には、洗顔の際、肌をごしごしこするような洗い方は禁物。肌を刺激する成分の少ない洗顔料を選び、たっぷりの泡でやさしく包み込むようにしてきちんと汚れを落とすことがポイントです。そして、洗顔後すぐに、肌の栄養源に限りなく近い糖類やアミノ酸が配合されたノンオイルの化粧水や美容液、パックなどを使うこともおすすめです。とくに気になる部分には、日中もこまめに塗り直したり、重ねづけしたりして、角質層が整って自然に潤うようになるまでしっかり守ってあげましょう。

また、必要に応じて日焼け止めを使うのもいいでしょう。角質層が整って元気な肌状態のときには、ある程度の紫外線は肌みずからの力で対応できます。しかし、長時間強い日差しを浴びる場合などは、刺激の少ない日焼け止めを適量使用して肌を守るのも得策。ただし、しっかりと洗い流すことをお忘れなく。肌の健康のためには、正常なターンオーバーを繰り返すことが唯一の道です。バリア機能を取り戻して健康な肌状態で夏を乗り切りたいものです。

一見すると、肌の表面が潤っていたり、皮脂が多いように感じたりする夏の肌。しかし、たくさんの外部刺激を受けた肌はバリア機能が低下し、肌の内部は乾燥して悲鳴をあげています。放っておくと、シミやシワ、たるみなどの原因にもなりかねません。暑さやだるさに負けておろそかになりがちな夏だからこそ、乾燥対策の保湿ケアをしっかりと行って、健やかな肌を保ちましょう。